映画 止められるか、俺たちを|あらすじとネタバレ感想!ラスト結末と見所は?

2018年10月13日に公開になった「止められるか、俺たちを」。

凛子

若松孝二監督が、映画に込めた思いを知ることができる作品です。
若松監督の教え子達が集まり、作り上げた作品でもあります。

ひっきー

1970年代前後に映画に命をかけた若者達の熱い思いを、ぜひ感じてみてください。

作品情報

あらすじ

吉積めぐみ、21歳。

1969年春、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて、”若松プロダクション”の扉をたたいた。

当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた”若松プロダクション”。

そこはピンク映画の旗手・若松孝二を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった。

小難しい理屈を並べ立てる映画監督の足立正生、冗談ばかり言いつつも全てをこなす助監督の ガイラ、飄々とした助監督で脚本家の沖島勲、カメラマン志望の高間賢治、インテリ評論家気取りの助監督・荒井晴彦など、映画に魅せられた何者かの卵たちが次々と集まってきた。

撮影がある時もない時も事務所に集い、タバコを吸い、酒を飲み、ネタを探し、レコードを万引きし、街で女優をスカウトする。

「映画を観るのと撮るのは、180度違う…」めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。

(出典:http://www.tomeore.com/story.html)

キャスト・監督

門脇麦(吉積めぐみ)

2011年、TVドラマ「美咲ナンバーワン!!」で女優デビュー。

13年、バレリーナ役で登場した東京ガスのCMが話題を呼び、三浦大輔監督作「愛の渦」ではヌードで体当たりの演技を披露する。

その後、NHK連続テレビ小説「まれ」(15)では土屋太凰演じるヒロインの同級生役を好演。

入江悠監督の「太陽」(16)では神木隆之介とともに主演を務め、「二重生活」(16)で初の単独主演を果たす。

17年は、主演作「世界は今日から君のもの」をはじめ、ヒロインを演じたホラー「こどもつかい」、ベルギーの女性監督バンニャ・ダルカンタラが日本を舞台に描いた「KOKORO」、大林宣彦監督作「花筐 HANAGATAMI」など出演作が目白押しとなった。


井浦新(若松孝二)

98年、是枝裕和監督作「ワンダフルライフ」の主演で俳優デビューする。

松本大洋のコミックを曽利文彦が映画化した「ピンポン」(02)で、窪塚洋介扮するペコの幼なじみ・スマイル役で注目を集める。

その後も、蜷川幸雄監督「蛇にピアス」(08)、若松孝二監督「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(07)、「キャタピラー」(10)、是枝監督「空気人形」(09)などに出演し、日本映画に欠かせない存在となっている。


白石和彌(監督)

1995年、中村幻児監督主催の「映像塾」に入塾。

その後は若松孝二監督に師事し、同監督の「17歳の風景 少年は何を見たのか」(05)などで助監督を務める。

10年、「ロストパラダイス・イン・トーキョー」で長編監督デビュー。

ノンフィクションのベストセラーを映画化した長編第2作「凶悪」(13)で、新藤兼人賞金賞などを受賞し、注目を集める。

「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の第3弾「牝猫たち」(16)は第46回ロッテルダム国際映画祭に正式招待され、その後も「日本で一番悪い奴ら」(16)、「彼女がその名を知らない鳥たち」(17)と、人間心理を巧みに描きだす手腕で1作ごとに評価を高めている。

(出典:https://eiga.com/movie/88974/)

ネタバレ感想

映画が大好きだった吉積めぐみ。

ピンク映画の監督だった若松孝二監督のもとで助監督を務めることになります

女性がピンク映画の助監督。

すごい決断をしたなと驚きますしたが、若松監督の作っていたピンク映画は単なるピンク映画ではありませんでした。

その当時若松監督はピンク映画の裏に、政府や世の中への不満を込めた作品を作っていたのです。

当時若松監督は若者達に絶大な人気を誇っている監督でした。

それは若者達のエネルギーに訴えかける作品を作っていたからです。

時代は学生運動など混沌として時代です。

そんな世の中に嫌気がさしている若者達熱狂的な指示を受けていたのが若松孝二監督なのです。

時にはその過激さから、公開中止を余儀なくされる作品もありました。

それでも作りたいものを作品にする、それが監督の熱い思いだったのです。

今の時代では考えられないことです。

今だとすぐにSNSなどで批判が上がり、炎上してしまいます。

そしてそれを恐レル映画会社は制作会社が絶対に過激な作品は作らせません。

「止められるか。俺たちを」を見ながら、もしかすると映画が今よりの数倍面白かった時代なのかもしれないなと感じました。

監督は吉積めぐみに「映画の中では何をやってもいい、不満や怒りを映画の中で壊せばいい」と言います。

「映画の中では何をやってもいい」これさえ今の時代ではあり得ないことです。

映画の中だからこそできることなのに、現実と重ねてしまい過激なことはできなくなってしまいました。

今の映画界、また観客、または全く映画に関係ないネット難民達に若松監督の思いや考えを知ってもらいたいなと思う作品です。

ここが見どころ

今回の「止められるか、俺たちを」は若松プロダクションで製作されました。

若松監督が亡くなってから作品を作っていなかったプロダクションにメンバーが再集結し作った作品です。

白石和彌監督は若松監督のもとで一緒に働いていた監督です。

若松孝二監督を演じた井浦新もたくさん若松監督の映画に出演しています。

そんな若松監督のことをよく知る仲間が作った映画だけあって、若松監督らしさがいろんなところに溢れ出ている作品でもあります。

若松監督のことを思い出しながら、そしてまた当時の気持ちを思い出しながらみんなで作った作品なのです。

井浦新は若松監督をリアルに演じています。

ともにたくさんの映画を作ってきた彼だからこそ、「若松監督ならこうするな。こう言うな。」と考えて演じたはずです。

優しくもあり、怖くもある若松監督が描き出されていました。

そしてそんな和母ナジールつプロダクションにいた吉積めぐみを演じたのが門脇麦です。

吉積めぐみの繊細でどこか謎な感じを見事に演じていました。

吉積めぐみがいつも歌っていた切ないメロディーが、映画を観終わってからも頭から離れません。

まとめ

1970年前後。

彼らがどんな思いで映画を作っていたのか、そして何を映画に込めたのか。

熱い魂を感じる作品が「止められるか、俺たちを」です。

残念ながら今の時代では見ることのできない、過激な映画がそこにはあります。

その過激な映画の数々には、当時の若者達の熱い思いがたくさん詰まっているのです。

ぜひ、「止められるか、俺たちを」を観て、熱いものを感じてください。

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