今回ご紹介する映画は、2011年に公開された「わたしを離さないで」です。
ひっきー
凛子
それでは本作について詳しくご紹介します!
作品情報
あらすじ
緑豊かな自然に囲まれた寄宿学校“ヘールシャム”。
そこは、牧歌的な田園地帯にありながら外界からは完全に隔絶され、徹底した管理が行われている謎めいた施設だった。
そんな静かで整然とした環境の中で、幼い頃からずっと一緒に育ってきたキャシー、ルース、トミーの仲良し3人組。
やがて18歳となった3人はヘールシャムを卒業し、農場のコテージで共同生活を送ることに。初めて接する外の世界に不安や喜びを感じていく3人。
そして、いつしかルースとトミーが恋人になったことで3人の関係も終わりを迎えようとしていたが…。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337671)
キャスト・監督
監督:マーク・ロマネク
キャシー:キャリー・マリガン
トミー:アンドリュー・ガーフィールド
ルース:キーラ・ナイトレイ
エミリ先生:シャーロット・ランプリング
キャシー(子供時代):イゾベル・ミークル=スモール
トミー(子供時代):チャーリー・ロウ
ルース(子供時代):エラ・パーネル
ルーシー先生:サリー・ホーキンス
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=337671)
ネタバレ感想
舞台は1967年、人類の平均寿命が100歳を超え、世界で不治の病の治療が可能となった世界です。
豊かな緑に囲まれた全寮制の寄宿学校ヘールシャムで、キャシー、ルース、トミーの3人は幼い頃から色んなことを学びながら一緒に過ごしていました。
ヘールシャムは普通の学校ではありません。
外の世界とは完全に隔離され、一旦外に出ると2度と入れてもらえないため、子供たちは柵の外には必ず出ないようにしていました。
さらに、たまに学校にやって来るマダムが子供たちの書いた絵や詩などの創作品を気に入れば、マダムのギャラリーに送られるという変わったシステムがあります。
ある日新任の教師ルーシー先生が子供たちに学園の存在理由を教えます。
それは、臓器提供のため。
子供たちは一定の年齢になるとドナーとして臓器を提供することになり、何度目かの手術によって命を落とす運命にあるのでした。
子供たちに真実を伝えてしまったルーシー先生はすぐに学園を辞めさせられます。
3人の中で唯一の男の子トミーはすぐに癇癪を起こすため、他の生徒たちからからかわれて浮いた存在でした。
そんなトミーに手を差し伸べたのがキャシー。
トミーはキャシーにJudy BridgewaterのNever let me goをプレゼントして、2人は次第に惹かれ合っていきます。
しかしそんな2人を見て1人取り残させるのが嫌だったルースはトミーに近づいて、2人は恋人同士になります。
それからしばらく経ち、18歳になった彼らはヘールシャムを出てコテージと呼ばれる共同生活をする場所へ移動します。
コテージには他の学校からやって来た人たちもいて、彼らも3人同様臓器提供のために育てられました。
他の学校から来たクリシーとロッドのカップルは、3人に真剣な恋愛をしているカップルは、臓器提供の猶予が与えられるという噂話を教えてくれました。
一時的と思われていたルースとトミーは交際を続けていました。
ルースとトミーは噂を信じ、ヘールシャム時代に創作品を提出したギャラリーの存在が、真実の愛を証明するためのものではないかと思いますが、トミーは1枚も絵を提出していませんでした。
恋人同士の2人の姿を見るのが辛くなってきたキャシーは、臓器提供者を見届ける介護人の仕事に就くことに決めて、コテージを出ていきます。
それから2人に会わないまま10年が経ち、キャシーは介護人としての仕事を全うしていました。
そんなある日、2度の臓器提供によって弱りきったルースと再会します。
ルースの提案で2人はトミーに会うことになり3人は10年振りに再会します。
小旅行として3人で海岸へやってくると、ルースは臓器提供の猶予を与えてくれるはずのマダムの住所をトミーとキャシーに渡します。
そして、ルースはお互いに惹かれ合っていたトミーとキャシーの仲を知っていながら間に割り込んだことを謝罪。
ルースは3度目の手術で「修了」を迎えます。
ようやく恋人同士になれたトミーとキャシーは、ルースに教えてもらったマダムの家を訪問。
トミーは10年の間に書き溜めていた絵をマダムに見せます。
2人は懸命に真実の愛を証明しようとしますが、今も昔も猶予というものはないと告げられます。
創作品は真実の愛を探るものではなくて、魂があるのかどうかを確認するためのものでした。
そして、トミーも臓器提供によって「修了」を迎えます。
トミーの手術から1週間後、キャシーのもとに最初の手術の日程が書かれた通知が届きます。
キャシーは臓器を提供する側と受け取る側の人間の違いは何なのか自問するのでした。
ココが見どころ
キャシーを演じたキャリー・マリガンの演技が圧巻で、キャシーに感情移入できました。
ルースとトミーがいちゃついている時のなんとも言えない気まずい表情。
トミーを含め何人もの臓器提供者を見届ける使命感を湛えた表情。
キャシーの辛さや苦悩がキャリー・マリガンの表情を通してすんなり伝わってきました!
まとめ
臓器提供のために育てられ、臓器提供のために人生を終えるディストピア映画でした!
未来への希望も救いも打ち砕かれてしまう絶望の世界でした。
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