凛子
ひっきー
全ては事実。「サクラメント 死の楽園」ご紹介します。
作品情報
あらすじ
「神」による 絶対の恐怖。
ある日、連絡が途絶えていた妹から奇妙な手紙を受け取ったパトリックは、過激な突撃潜入取材で知られるVICE社のサムとともに、妹が暮らす共同体に潜入取材を敢行する。
「エデン教区」と名付けられたその場所では「ここで豊かな生活ができるのは『ファーザー』のおかげだ」と、パトリックの妹をはじめ、誰もが幸せそうに生活を送っていた。
しかし、平和に思われた「地上の楽園」に、不可解な空気が見え隠れし始める。
(出典:https://eiga.com/movie/79737/)
キャスト・監督
ジョー・スワンバーグ(ジェイク)
アメリカ合衆国の映画監督、脚本家、撮影監督、編集技師、俳優である。
2005年、『Kissing on the Mouth』で長編映画監督デビューを果たす。
2007年、グレタ・ガーウィグ主演の『ハンナだけど、生きていく!』を監督した。
2011年、アダム・ウィンガード監督のホラー映画『サプライズ』に出演した。
ジーン・ジョーンズ(ファーザー)
1990年から、米国のドキュメンタリー・ミニシリーズ『The Civil War』で俳優として活動をし始め、デイヴ・シャペルがホストのコメディ番組『シャペル・ショー』のコントコーナーなどへも出演。
2007年にコーエン兄弟が監督したスリラー映画『ノーカントリー』へ出演し、ハビエル・バルデム演じる殺し屋が立ち寄るガソリンスタンドで、殺し屋にコイントスを強要されて翻弄される店主を演じている。
タイ・ウェスト(監督)
2005年『The Roost』で長編映画監督デビューを果たす。
2011年には『インキーパーズ』を監督した。
2013年、ジョー・スワンバーグ監督の『ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式』に俳優として出演する。
同年、監督作品の『サクラメント 死の楽園』がヴェネツィア国際映画祭にて上映される。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/)
ネタバレ感想
ドキュメンタリー映画のような作りで面白い。
「楽園」へ行った妹の様子を知るためと取材を行う為に行くのでPOV方式ではあるものの、走って揺れるなどのシーンはほとんどなく内容の異常さが怖い作品。
でもこれ『事実を基に』作られています。
詳しくは見どころでお話するとして、実際にあり得るリアルさと思えるのはそういうこと。
ある人の全ての言葉は絶対だと信じてしまうということは、自分の心が弱っているときにあるのかもしれません。
何かに悩んでいたり精神的に参っていると、誰かに頼ったり分かってもらいたくなるもの。
そこへ手を差し伸べるようにやって来る。
入ってしまうともう出られない、というよりも出たくない気持ちになるのでしょう。
この映画であった出来事は亡くなった人の人数が多く知られていますが、同じような場所は世界中にある。
もちろん日本にも存在し、過去に凶悪事件を起こした団体もありました。
入ってしまえば疑うことがなくなる。
撮影中に、「みんなが良いことを言うんだよ」というセリフがあります。
インタビューする相手は全員幸せを感じながら感じながら話をします。
そこに違和感を感じるのは、もしかすると報道関係者だからなのかもしれない。
全員が全員良い事ばかり話をするなんて本当なのか?
普通に観ているとそんな疑問はなく、それほどまでにいいものなのか?どんな場所なんだろう?
そんな気持ちになるはずです。
そう思ったところですでに入る可能性があるのか、と冷静に思い出して自分で思ったりします。
そこへリーダーの「ファーザー」が現れ、力いっぱい話をされたらきっと楽園に残るでしょう。
この映画の怖さはそこです。
誰にでも精神的苦痛や弱っているときに心の隙間が出来るときがある。
自分は大丈夫、なんていうことはないのです。
いつどこで変わるかなんて、自分自身でも分からない。
その言葉は本当に正しい道へ行くものなのか?
この作品を通して、集団の恐怖を体感してみてください。
ココが見どころ!
本作は全世界に衝撃を与えた事件である「人民寺院」を基にしています。
1955年アメリカでジム・ジョーンズが設立し教祖として率いたカルト集団が集団自殺をした事件。
教団は日々人数を増やし、場所を変え、本作で言われる楽園「ジョーンズタウン」を作り上げる。
そこへ調査にやって来たのはアメリカ合衆国下院議員のレオ・ライアン。
実は街の中には逃げたくても逃げられない人々も存在し、議員に助けを求めたのです。
その住民らを連れ空港に向かったところを自警団に襲撃され、命を落としました。
そして来る最後の日。
襲撃をしたその日の夕方にジョーンズは集会を開き、全員にシアン化物を混ぜたジュースを飲ませる。
2001年のテロがあるまで、この事件は史上最大の犠牲者を出した事件であり、その数は「918人」その内子供は276人だったと言われています。
ジョーンズ自身は同じ日、頭に銃弾を受けデッキチェアで死亡しているのを発見される。
映画で撮られたものが、この事件の全てではないかと思います。
映画の方が住民の人数が少ないことに驚きと恐怖。
住民の表情とファーザーの存在、違和感を感じても飲まれてしまいそう。
興味があったとしても、安易に近づかないようにしてください。
『ミイラ取りがミイラになる』
まとめ
映画としての評価はあまり高くないようですが、とても興味深い作品です。
戒めや勉強にもなる、それは全て実際に行われたことであり近くでもあるかもしれない。
身近な人がそうかもしれない。
人間の怖さを自分の目で見てみて下さい。
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