凛子
ひっきー
監督は日系4世のキャリー・フクナガさんで、ウゾディンマ・イウェアラさんという方が2005年に執筆した小説を原作としている物語だそうですが、現実に起きていることでもあるので実話と言っても過言では無いですよね・・・
この映画を見るとアフリカで起きている悲しい現実を知ることができます。
作品情報
あらすじ
内戦が勃発したものの、まだ平穏に毎日を過ごすことができていたある日、
少年アグーの暮らす村に、反乱軍を弾圧すべく政府軍がやってきたことから、ささやかな日常は崩壊する。
アグーは命からがら逃げ出すが、武装集団の指揮官に見つかり、強制的に一味に加えられてしまう。
弾薬を運ぶ係として否応なしに戦闘に参加させられたアグーは、いつしか機関銃を掲げる兵士へと変わり、その手を血に染めていく
(出典:https://eiga.com/movie/83159/)
キャスト・監督
イドリス・エルバ(コマンダント)
TVシリーズ「THE WIRE ザ・ワイヤー」で注目を集め、その後映画を中心に英米双方で活動する。
「28週後…」「アメリカン・ギャングスター」、「ロックンローラ」などの話題作を経て、「マイティ・ソー」シリーズ、「ゴーストライダー2」、「プロメテウス」、「パシフィック・リム」など大作への出演が続く。
英BBCのドラマ「刑事ジョン・ルーサー」では、米ゴールデン・グローブ賞(ミニ・シリーズ/テレビ映画部門)の主演男優賞を受賞した。
キャリー・フクナガ(監督)
日系アメリカ人。
15歳から脚本を書き始める。05年、脚本・監督作「Victoria para Chino」がサンダンス映画祭で短編映画賞の特別賞を受賞し、長編監督デビューが決定。
「闇の列車、光の旅」でメキシコから列車に乗ってアメリカを目指す移民たちの現実を描き、サンダンス映画祭の監督賞を受賞、インディペンデント・スピリット・アワードの監督賞にもノミネートされた。
長編2作目はシャーロット・ブロンテ原作の「ジェーン・エア」。
ミア・ワシコウスカとマイケル・ファスベンダーという旬のキャストを迎え、文芸作品に挑んでいる。
(出典:https://eiga.com/movie/83159/)
ネタバレ感想
貧しいながらの家族6人で仲良く暮らしていた少年アグーが、なぜ少年兵になってしまったのかということがリアルに描かれています。
アグーの住んでいた村は平和維持軍がいる中立地帯で、周りの村で内戦が起きていても安全村のはずでした。
しかしある日その平和が崩れてしまいます。
反政府軍が暴動を起こし、アグー達の村に流れ込んできました。
危険を感じたアグーの父親は妻と娘とアグーを他の村に移動させようとしますが、結局アグーは車に乗れず母親と村に残ることになります。
この時に母と妹と離れ離れになってしまいます。
村に残るのは危険でしたが、村を守るために父親や村の住人の男性は残ります。
しかしすぐに激しい銃撃戦が始まってしまいます。
銃撃を逃れるために隠れていたアグー達村人ですが、結局へ政府軍に見つかってしまいます。
村人は自分たちは反政府軍でなく、地元の住民だと訴えます。
しかし反政府軍とみなされ政府軍によってみんな銃殺されてしまいます。
アグーと兄はなんとか逃げ出しますが、兄も撃たれて死んでしまいました。
アグーは1人必死に森の中を逃げ回ったのです。
家族を奪われ1人ぼっちになってしまったアグー。空腹をしのぎながら森の中で生活しますが、ある日反政府軍のグループに見つかってしまいました。
アグーはそのグループの司令官に殺されそうになりますが、「政府軍に家族を殺された」とアグーが事情を述べると司令官はアグーを少年兵として、自分達の反政府軍に参加させたのでした。
この前半を見ていると、どうしてアフリカで少年兵が増えるのかが分かります。
その状況は本当に悲惨です。
政府軍でも反政府軍であっても簡単に敵を殺してしまいます。
そのことにより親を殺されてしまった子供がたくさんいるのです。
1人になってしまった子供達の居場所はありません。そんな子供達を集めて兵士とするのです。
そして彼らの心に復讐心だけを植え付けて行くのです。
これが少年兵の現実です。
ココが見どころ
前半はアグーが少年兵となるまでが描かれていますが、後半は少年兵となったアグーがどんな活動をするのかが描かれています。
少年兵としての活動は決して楽なものではありません。
寝床や食べ物は確保できますが、それ以上に辛いことが待っています。
政府軍と戦うときは徹底的に相手を倒し全滅させます。
掴めた相手がどんなに命乞いをしても容赦ありません。しかもそれをアグーのような幼い子供達に行わせるのです。
相手は政府軍だけではありません。
政府軍に協力をした村も襲います。
女、子供関係なく殺してしまいます。
その様子はかつて自分の親が殺された時と同じ状況でした。
アグーは次第に自分は何をやっているのかと疑問を覚え始めますが、少年兵から抜け出すことは出来ません。
こんなことを繰り返すうちにアグーの心はどんどん病んでいくのです。
少年たちを洗脳するかのように次々とひどいことをやらせる司令官。
自分の復讐のために子供を利用しているだけになっています。そんな状況を見ていると本当に心が痛くなってしまいます。
まとめ
アフリカでこんなことが起きていたのかと思うと、心が痛く辛くなってしまいます。
でもこれが現実です。
世界で起きていることを知るために、社会の問題にきちんと目を向けるためにも「ビースト・オブ・ノー・ネーション」のような作品を見ることは大切だと思います。
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