凛子
ひっきー
かなり異色の悪魔系ホラー映画なので、このジャンルが好き方は必見!
「ヘレディタリー/継承」ご紹介します!
作品情報
あらすじ
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。
娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。
自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。
やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。
不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。
祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。
(出典:http://hereditary-movie.jp/)
キャスト・監督
トニ・コレット(アニー・グラハム)
1972年、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州生まれ。
オーストラリア国立演劇学院を卒業後、『ホワイト・プレジデント 敏腕経営コンサルタント』 <未>(91)で映画デビュー。
『ミュリエルの結婚』(94/P・J・ホーガン監督)の主人公・ミュリエル役の見事な演技で世界中の映画ファンに強烈な印象を与え、ゴールデングローブ賞にノミネートされ、注目を浴びる。
その後、『シックス・センス』(99/M・ナイト・シャマラン監督)でアカデミー賞助演女優賞候補になった。
ガブリエル・バーン(スティーブ・グラハム)
1950年、アイルランド・ダブリン生まれ。
教師をしながら俳優を志すようになり、29歳でジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』(81)で映画デビュー。
出演している長編映画は60作品を超え、その中には『ミラーズ・クロッシング』(90/ジョエル・コーエン監督)、『ユージュアル・サスペクツ』(95/ブライアン・シンガー監督)、『白馬の伝説』(92/マイク・ニューウェル監督)、『若草物語』(94/ジリアン・アームストロング監督)、『デッドマン』(95/ジム・ジャームッシュ監督)、『エンド・オブ・バイオレンス』(97/ヴィム・ヴェンダース監督)、『仮面の男』(98/ランダル・ウォレス監督)、『チリ33人 希望の軌跡』(15/パトリシア・リゲン監督)などがある。
アリ・アスター(監督・脚本)
アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)でMFA(美術修士号)を取得。
『The Strange Thing About the Johnsons』 <未>(11)、『Munchausen』 <未>(13)、『Basically』 <未>(14)など、いくつかの短編を脚本・監督。
ニューヨーク映画祭、ファンタスティック・フェス、スラムダンス映画祭などで上映された。本作が長編映画デビュー作品である。
ネタバレ感想
「継承」と言うのだから、何かを家系で受け継ぐんだろうな。
と想像は出来ますよね。
超恐怖、なんて変な言葉も付いていたりですが、なんと言ってもかなり変わっています。
「難解な映画」というものは賛否両論極端に分かれるもので、実際にまるでエクソシストのような恐怖だと絶賛される反面、大ブーイングを起こしたりもしています。
ホラー全般が好きであり、もちろん悪魔系もだという方にはオススメで見逃してはいけない作品。
しかしただ怖いもの見たさでみるならば、きっと面白いと感じないでしょう。
それはその恐怖の意味がいまいち伝わらないのではないか?と思うからです。
明らかに何かを感じる妹、普通の青年のように見える兄、真面目な父に何かがある母。
この一家だけなんとも言えない不気味さに囚われますが、それは大成功でありなんせこのグラハム家の話を見ているだけなのだから。
アニーの母の葬儀から全ては始まっており、それにまだ気づいていない残された家族がすでに異様。
生きていた頃の経験から、良い思い出が無く悲しみもない。
参列者への追悼の辞を述べるアニーの姿と内容に、胸騒ぎがする。
この祖母の残した言葉が大きな意味を持つこと、これが少しづつ散りばめられて来ます。
紐解くように家族一人ひとりい焦点が当てられると、想像もつかないことがどんどん出て来る。
母を毛嫌いする兄、おばあちゃんと仲が良く持病があり物静かな妹、そして実は昔から夢遊病者である母。
唯一の救いはセラピストである父親なのですが、力は及ばない。
重要なシーンであるアニーが通う「セラピー」。
ここで死んだ母の話を語っているのです。
「実は兄がいて死んだのはきっと母のせいだ、それは兄の身体に何かを入れようとしていたから」
これで悪魔が出て来るんだろうな、とは思う。
声を掛けて来る女性がいて、これもなにか怪しい、いや明らかに怪しい。
とは分かるものの、とんでもない展開についていけなくなります。
不慮の事故、に見える事故で妹は兄と一緒にいるところで死亡。
一家の中でもかなり重要であろうと思われる雰囲気と姿を持つ、その妹がまさかの死を迎える。
その事故がまた強烈です。
そこから一気にアニーの狂気は現れ、それにつれ兄にも異変が起こる。
霊を呼び出そうとしてみたり、それもよくある話と思いきやこれは全て死んだ妹の霊ではなく「違うもの」の為の儀式だった。
あらゆるところに散りばめられていたピースが回収される。
この作品の面白いところはまさしくコレです!
数多くの伏線を見事に回収し、出来上がったそれは見事。
それは若い男の身体が目的であり、何かを入れようとしていた何かは悪魔パイモン。
継承、とはこのパイモンを受け継ぐものということであり、それを担った一家を指しているのだと思います。
何度観返したら全部わかるのだろうか・・・?
ココが見どころ!
見所はジメジメとした独特な雰囲気と、少しづつ狂っていく家族と人間の様。
この家族の物語は「永遠のトラウマになる」、というフレーズもありますが、物語もそうではあるものの、きっと映画のカラーと狂気をまざまざと感じるような母の変貌ぶり。
これがトラウマになるような気がします。
見た事ある女優さんだ!と思った方は、きっと「シックスセンス」だと思います。
あのお母さんとはまるで違った母親が衝撃的過ぎます。
顔が怖い!という印象になると思いますが、それも全ては演技力。
アニーを筆頭に全員のその存在が不気味でざわざわします。
始まったところからなので、このレベルを徐々に上げられていく感覚で終わる。
そう思うと、どれだけの怖さか分かるかと思いますが、怖いには色々あるもの。
スプラッターを怖いと感じるのか、心理的恐怖なのか、この映画は断然心理的なのですがアプローチの仕方が今までには無いものではないかと感じました。
そしてもう一つの見どころは、アニーの職業。
ミニチュア模型を作る作家なのですが、これが更なる不気味さと精神を表す恐怖を助長します。
惹きつけられる人は、目が離せずまた繰り返し観たくなる作品ですよ。
まとめ
観ている間なんとも言えない、嫌~な感覚に捕らわれる時間を過ごすことになります。
しかし何度も言いますが、悪魔系ホラーが好きな方には特にオススメの映画。
上映している映画館も少ないのですが、密かに増えたりしています。
後から上映するミニシアターも多いかもしれませんね。
凛子
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