今回ご紹介するのは、2018年に公開された映画「あなたの旅立ち、綴ります」。
凛子
ひっきー
それでは、本作について詳しくご紹介します!
作品情報
あらすじ
広告業界で成功を収めた老婦人のハリエット・ローラーは、何不自由なく暮らしていたが、80代に入ってから孤独と死への不安を感じていた。
そこで、ハリエットは自身の訃報記事を生前に執筆することを思いつき、地元の若い新聞記者であるアン・シャーマンに依頼する。
しかし、自己中心的なハリエットのことを良く言う人はおらず、理想とかけ離れた原稿を読んだ彼女は、最高の訃報記事には欠かせない4つの条件を満たすため、自分を変えることを決意するのだった。
その答え探しを手伝うことになったアンは、性格がまったく違うハリエットとぶつかり合っていたが、いつしか2人の間に芽生えていたのは、世代を超えた友情。
そんなハリエットとの出会いによって、人知れず悩みを抱えていたアンの未来も変わり始めていた……。
(出典:http://tsuzurimasu.jp/intro/)
キャスト・監督
監督:マーク・ペリントン
ハリエット・ローラー:シャーリー・マクレーン
アン・シャーマン:アマンダ・セイフライド
エリザベス:アン・ヘッシュ
ロビン・サンズ:トーマス・サドスキー
エドワード:フィリップ・ベイカー・ホール
ロナルド・オドム:トム・エヴェレット・スコット
ブレンダ:アンジュエル・リー
(出典:http://tsuzurimasu.jp/cast-staff/)
ネタバレ感想
主役のハリエットを演じたのは、大御所女優のシャーリー・マクレーン。
元広告代理店の女社長だったハリエットは、なんでも自分の思い通りにコントールしたがる基質。
周りの人間から嫌われ、夫とは離婚し一人娘のエリザベスとは疎遠状態。
この映画を知った時は、ハリエットのような嫌われ者が何かのキッカケで成長し、周りから愛される善人へと変貌を遂げるストーリーなのかと思っていました。
こういった映画はいくらでもあります。
しかし、本作は予想と全く違いました。
ハリエットのキャラクターは一貫して変わりません。
ずっとやりたい放題、言いたい放題のわがままな老人です。
ココが、他のよくある映画と違うところ。
性格は変わらないまま、自分の訃報記事を充実させようと奮闘しやりたかったことを実現し、それが回り回って周りの人に影響を与えていくところは、他の映画よりも現実味がありました。
ハリエットがアンに提示した素晴らしい訃報記事を書くためのポイントは4つ。
・家族に愛されていたこと
・同僚から尊敬されていたこと
・思いがけず誰かの人生に影響を与えていたこと
・訃報の見出しになるような出来事となる、ワイルドカードを持っていたこと
この4つのポイントをクリアするために、アンとともに行動を起こしていきます。
ハリエットが家族と和解したりDJを始めたり、やり残したことを何の躊躇もなく始めていく姿を見ていたアンには、変化が起きます。
本当は訃報記事ではなくエッセイを書きたかったアンは、ハリエットに触発されて、本当に進みたかった道へ進み始めるのです。
アンのように保守的で、自分で作り上げた安全な世界から踏み出せない人には、最初の1歩を踏み出す勇気を与えてくれる映画でした。
蛇足ですが、アン役を演じたアマンダ・セイフライドと人気DJ役のトーマスは劇中で恋人同士の役でしたが、本作がきっかけで交際に発展し、結婚しています。
2人の交際を陰ながら応援していたシャーリー・マクレーンは、映画同様にリアルな世界でも恋のキューピットを担っていて、それを知ってから映画を観ると、さらに楽しめます!
ココが見どころ
本作ではコアな音楽好きには堪らないさまざまな曲が使用されています。
子供の頃から音楽を愛しレコードを収集していた音楽好きのハリエットが81歳にしてDJを始めたことにも驚きですが、選曲のセンスも抜群で驚かされます。
アンと人気DJのロビンがいい感じの雰囲気で会話しているのを発見したハリエットが、その雰囲気をさらに盛り上げるためにかけた曲は、Witchの「The Way I Feel」。
他にも、Amnestyの「Mister President」や、Delores Whiteの「Why Don’t We Understand」、Arum Raeの「Let’s Shake」などの非常にマニアックな名曲が劇中で流れています。
そして、ハリエットのお気に入りのバンド、ザ・キンクス。
映画全体を通して、抜群の音楽センスが伝わってくる映画でした。
まとめ
人生の終活を意識した暗い映画だと思っていたら決してそんなことはなく、終活に向けて前向きに考え行動しているハリエットを観ていて、元気になれます。
長い人生を歩んできて、さまざまな経験を積んだ人だからこそ、ハリエットが投げかける言葉の重みを噛みしめることができます。
「いい一日を送らず、本物の一日を送って。自分に正直な一日、意味のある一日を送るのよ。」
自分のやりたいことは、もじもじと躊躇していないで、最初の1歩を踏み出しなさい!と背中を押してくれる映画でした。
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