2012年日本公開「ドライヴ」で数々の賞にノミネートされ受賞し、日本でも人気が出たので昔の作品がDVD化されたという、ニコラス・ウィンディング・レフン監督。
何か独特で、これは凄いぞと思った方も多いはず。
凛子
ひっきー
中でも「色」全開の、ネオンデーモンをご紹介します!
作品情報
あらすじ
無垢な夢が 邪悪な毒に 染まる
誰もが目を奪われる特別な美しさに恵まれた16歳のジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるために、田舎町からロスへとやって来る。
すぐに一流デザイナーやカメラマンの心をとらえるジェシーに、激しい嫉妬を抱くライバルたち。
ジェシーに仕事を奪われた彼女たちは、常軌を逸した復讐を仕掛け始める。
だが、ジェシーの中に眠る壮大な野心もまた、永遠の美のためなら悪魔に魂も売り渡すファッション業界の邪悪な力に染まっていく。
(出典:http://gaga.ne.jp/neondemon/)
キャスト・監督
エル・ファニング(ジェシー)
1998年4月9日、ジョージア州コンヤーズ生まれ。
2歳の時に姉ダコタ・ファニングが出演した『I am Sam アイ・アム・サム』(01)で映画デビューを果たす。
その後も子役の活動を続け『ドア・イン・ザ・フロア』(04)、『バベル』(07)、『デジャヴ』(06)、『シャーロットのおくりもの』(06)、『帰らない日々』(07)、『ベンジャミン・バトン数奇な人生』などにキャリアを重ねる。
キアヌ・リーヴス(ハンク)
1964年9月2日、 レバノン・ベイルート生まれ。カナダ・トロントで育つ。
10歳の頃から演技を学ぶ。『ドリーム・トゥ・ビリーヴ』(86)で映画デビューを果たす。
この年に拠点をハリウッド移し、幅広いジャンルの作品に多数出演する。
主演したヤン・デ・ボン監督作『スピード』(94)が大ヒットし、国際的スターの仲間入りを果たす。
主人公・ネオ役を熱演したSFアクション『マトリックス』(99)はカルト的な人気を呼び、世界中で大ヒット。
ニコラス・ウィンディング・レフン(監督・脚本・原案)
1970年9月29日、デンマーク生まれ。
24歳で監督を務めた『プッシャー』(96)でデビュー。
三部作として続編が製作され、カルト的作品を誇る。
トム・ハーディ主演『ブロンソン』(08)で、各国のメディアから「次世代ヨーロッパにおける偉大な映像作家」と称賛を浴びる。
2011年、ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』で、カンヌ国際映画祭の監督賞など数々の賞を受賞。
ネタバレ感想
2013年のオンリー・ゴッドがあまりにも凄かったので、それ以上のものって何なんだろう…と、ファンとしては思ってしまいます。
それ以上も以下もなんてないのですが、やっぱり期待してしまい。
そして、期待通りと言うよりも、全然違うところからやられた感じでした。
とはいえ…何度も言いますがレフン監督作品です。
間違っても、万人受けする映画ではなく、エル・ファニングが好き!で観るのも、ちょっとオススメはしないかなぁ…というところ。
オンリー・ゴッドでも同じように、とにかく説明はしません。
え?ん?が続くのはもちろん、いま何が起こったの?!と衝撃を受けて時間が止まっている場合ではありません。
確実に置いて行かれます。
そして、今回はより一層バイオレンスと性的描写も強く、終盤はもう観ていられないかもしれません。
ファンにしてみれば、それもアート。
ではあるものの、まさかの展開に衝撃が隠せませんでした。
あらすじにある通り、モデルとして成功したい女性たちが、パッと出てきた若く人を惹きつける魅力のあるジェシーに嫉妬をして狂気に走るというもの。
ストーリー自体はとてもシンプルで、そのまま変わらないのですが、意味深なシーンが多々あります。
三角形の中にジェシーが立っているシーンがありますが、これは3人の魔女を表しています。
これについてはレフン監督も話をしていたように、悪魔のシンボルの一つとしてある逆三角形。
これの角にルビー、ジジ、サラの3人が位置しているということ。
ネオンデーモンとは、この3人のことを指していたのです。
そして、悪魔の契約とは血で交わすことが多く、作中でサラが怪我をしたジェシーの手から出る血を舐めているシーンがあります。
ここで成立していて、後に全てを自分達の物にしたということかと考えられます。
部屋に山猫(メスライオンか豹か)がいることも、一体なにを指すのかと。
部屋を壊されることから、今から自分の身に起こることを暗示しているのか。
ラスト考察
まだまだある、あれはこうなんじゃないか?は、もう書ききれないので、ラストへ行きましょう。
悪魔との契約の結果、ジェシーは命を奪われます。
しかし、3人の目的はジェシーの死ではなく、ジェシーそのもの。
その為に、「食べるのです」。
食べた後、吐き気をもよおし出た物は目玉。
これはただ気持ち悪くなったのではなく、ジェシーの中にも悪魔がいたのではないかと思います。
その為、適合することはなく逆にやられてしまい、早く出さないと!とお腹を切り裂いたのもジェシーを出そうとした結果。
でもこれはジジの話。
お腹を切り裂き絶命したところにいたサラは、予想をしていたかのように驚きもせず、なんと吐き出した目玉を食べ、去って行きます。
このサラが本体だったように思えます。
お前は勝てなかった、そうだろうなと言っているような。
ルビーはジェシーに対し、恋愛感情が本当にあったように見えたのと、もしかしたら血のシャワーを浴びただけで食べていないのかもしれないのか?とも思ったりで、普通に生きているんだと思いました。
はじめに出て来るショッキングで綺麗な、ジェシーがソファに横たわるシーン。
これが業界とこの映画の全てを語っているのではないかと、観終わったあとに分かります。
ココが見どころ!
まさに「ネオン」です。
とにかく美しい!美しい程に、裏にある闇を感じます。
生きるための戦いではなく、破壊や破滅の話。
美の裏には死があるのです。
赤と青で表すものも、生と死。
そして、そんな役なの?!のと思いそうですが重要なキアヌはかなりいいです。
まとめ
感想に考察と色々ご紹介しましたが、観ている人でもよく分からないかもしれません。
何も語らないのは、映画を観る者に全てを委ねるということ。
これを受け止めることが出来なければ、なんだこの面白くない映画。で終わります。
逆に考えると、解釈は無限にあり人と違うのはもちろん、観返す自分とも違うかもしれない。
揺るがない世界観のためか、本作は製作費よりかなり興行収入が少なかったようです。
残念ではあるものの、納得でもあり、でも曲げて欲しくは絶対にないです。
一般受けするようなものを手掛けると、どんどんレフン監督の持つものがなくなりそうで、今のまま突き進んで欲しいと切に願います。
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