凛子
ひっきー
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品だけあって、重く切ないテーマが内容の作品です。
そして是枝監督の他の作品にも描かれている「血の繋がりのない家族」についても描かれていました。
作品情報
あらすじ
盗んだのは、絆でした。
東京の下町に暮らす、日雇い仕事の父・柴田治とクリーニング店で働く治の妻・信代、息子・祥太、風俗店で働く信代の妹・亜紀、そして家主である祖母・初枝の5人家族。
家族の収入源は初枝の年金と、治と祥太が親子で手がける「万引き」。5人は社会の底辺で暮らしながらも笑顔が絶えなかった。
冬のある日、近所の団地の廊下にひとりの幼い女の子が震えているのを見つけ、見かねた治が連れて帰る。
体中に傷跡のある彼女「ゆり」の境遇を慮り、「ゆり」は柴田家の6人目の家族となった。
しかし、柴田家にある事件が起こり、家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれの秘密と願いが次々に明らかになっていく。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/万引き家族)
監督・キャスト
リリー・フランキー(柴田治)
武蔵野美術大学卒業後、イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞、作曲、俳優など多分野で活動。
初の長編小説「東京タワー オカンとボクと時々、オトン」が230万部を超えるベストセラーとなり、本屋大賞を受賞。
俳優としては、映画「ぐるりのこと。」でブルーリボン賞新人賞ほか多数の賞を受賞している。
安藤サクラ(柴田信代)
2007年に奥田瑛二監督の「風の外側」で本格俳優デビュー。
2012年に「かぞくのくに」、「愛と誠」、「その夜の侍」へ出演し10以上の賞を受賞。
2014年の「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。
是枝裕和(監督)
1995年「幻の光」で監督デビューし、ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。
その後、多くの作品を手がけ、2013年「そして父になる」でカンヌ国際映画祭審査員賞受賞したほか、国内でも多くの賞を受賞。
その後も「海街diary」「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」でたくさんの賞を受賞している。
(出展:http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/about.html)
ネタバレ感想
子供達が可愛くてしょうがない。
まずそれを1番に感じました。そして子供達の可愛さが唯一の救いだなと。
「正義」というところから見ると、外れている家族かもしれないけど、みんな生きるために精一杯で。でもそれに対して不満や愚痴を言うわけでもなく、自分達なりの幸せを見つけて生活している家族でした。
映画を見ると、正論だけではどうにもならないこともあるという事を突きつけられます。
だって彼らは仕事していないわけではないのです。仕事をしているけど貧困で。
しかも親に虐待されている子供を助けて、一緒に生活しているのです。面倒見なくてもいいのに、他人なのに子供達に手を差し伸べているのは貧しい彼らなのです。
そんな彼らの行動は犯罪かもしれないけど、それを責められるのかというと。。。
すごく心に響く、そして心が痛くなる作品でしたけど、美しい映画を見たと思いました。
そしてまた大人達に振り回される子供が健気で、それでも彼らなりに現状を受け入れて、しっかり生きていると感じました。
翔太は駄菓子屋のおじさんに言われた言葉で、万引きはよくない事だと気がつきました。
それをやっている自分達家族に疑問は持ったけど、決して家族を責めていません。自分を置いて逃げそうになったお父さんに「本当?」って聞いたけどその事を責めていません。
彼らと生活した事で、翔太は物事の善悪を勉強したんだと思います。だから彼は2度と犯罪を犯さないと思います。
彼なりに凄く成長できた生活だったんじゃないかなーと私は感じています。
ここが見どころ
樹木希林さんって、本当に素晴らしい女優さんだと再確認しました。
「万引き家族」がおばあちゃんの初枝がいたから、成り立っていたように、この映画自体、樹木希林さんの存在があったから成功したのではと思ってしまいます。
とにかく、表情から言葉の1つ1つまで目を奪われてしまいます。
存在感があるけど画面の中で、目立つわけでもなく、いつも温かく家族を見守っている初枝のように、みんなの邪魔をしない。だけど画面の中にはちゃんといるというのが、樹木希林さんでした。
おばあちゃんのユーモアが辛いだけの映画でなく、人間らしい優しい映画にしていたと思います。
日本を代表する女優さんの樹木希林さんの凄さを、改めて実感できるのが「万引き家族」でもあります。
まとめ
普段は邦画をあまり見ないという方にも、または映画を見ないという方にもぜひ見て欲しいのが「万引き家族」です。
万引きをするしないよりも、人との繋がりや家族ってなんなの?という事を考える事ができる作品です。
そして、人の美しいものを見たなと感じれる作品だと思います。
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