「Macintosh」「iPhone」「iPad」など、世界中の人に愛されるアップル製品を生んだ男、スティーブ・ジョブズ。
彼にまつわる映画やドキュメンタリーは、日本未公開のものを含め、すでに12本以上も公開されています。
凛子
ひっきー
今回は、2016年に日本公開されたダニー・ボイル監督の映画「スティーブ・ジョブズ」について紹介します!
作品情報
あらすじ
1984年。Macintosh発表会の40分前。
“ハロー”と挨拶するはずのマシンが何も言わず、激高するジョブズ。
マーケティング担当のジョアンナは、そんなジョブズにいつも振り回されてばかり。
するとそこに、ジョブズの元恋人クリスアンが、娘のリサを連れて現われる。
いまや公然の秘密である娘の認知を頑なに拒絶するジョブズだったが…。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354651#1)
キャスト・監督
監督:ダニー・ボイル
スティーブ・ジョブズ:マイケル・ファスベンダー
ジョアンナ・ホフマン:ケイト・ウィンスレット
スティーブ・ウォズニアック:セス・ローゲン
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354651#1)
ネタバレ感想
この作品の大きな特徴は、3幕構成になっているところです。
ジョブズが発表した3つの製品、1984年の「Apple Macintosh」、88年の「NeXT Cube」、98年の「iMAC」。
それぞれの製品のプレゼン発表前の舞台裏40分だけを描いているという斬新な映画。
ジョブズの濃密な人生経験からしたら、極めて限定的な部分だけを切り取っているのに、ジョブズの人物像がちゃんと浮き彫りにされていました。
ひっきー
凛子
この点が、2013年に公開された、全く同じタイトルの映画「スティーブ・ジョブズ」と明らかに違いました。
2013年の映画「スティーブ・ジョブズ」が伝記的で、ジョブズがこれまで何をやってきたかという行動にフォーカスを当てています。
一方で2016年の映画「スティーブ・ジョブズ」は、ジョブズという人物そのものにフォーカスを当てていました。
そういった意味では、ジョブズのことをより深く知ることができる作品でしたが、この映画は『ジョブズ、万歳!』『偉大なるジョブズに賛辞を!』といった、ジョブズを崇め奉る映画では一切ありません。
凛子
ひっきー
周りの人に不可解で無茶な要求を突きつけ、独自の美学と理屈でまくし立てる暴君さ。
DNA鑑定で親子関係が認められたのに、娘リサのことを娘だと認めない非情さ。
凛子
ひっきー
本作の最大の肝はそこにあります。
ビジネスセンスは満点だけど、父親として落第点のジョブズ。
父親としてのあり方、接し方を模索するが、うまく娘と接することのできない不器用さ。
短絡的かもしれませんが、ジョブズは幼くして養子に出されていたから、血の繋がった親子関係がどういうものなのか、分からなかったのかなと思いました。
それでもリサが成長していくにつれて、ジョブズの父親としての意識が少しずつ芽生えてきて安心しました。
そして、映画終盤で最も不器用な父親が見せる娘への愛情。
いつもカセットテープで音楽ばかり聞いていたリサに対し、ジョブズは『そんなかっこ悪いものは見るに堪えん。500曲くらいがポケットに入るようにしてやろう。』と娘に言い放ちます。
ひっきー
凛子
不器用ながらも娘への愛情が伝わる感動的なシーンでした!
ココが見どころ
主演を演じるマイケル・ファスベンダーと助演のケイト・ウィンスレットの演技も素晴らしかったです。
しかし脚本の良さが、ずば抜けていました!
ひっきー
彼は、デヴィッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー脚色賞を獲得。
ベネット・ミラー監督の「マネーボール」では、アカデミー脚色賞にノミネートを果たすほど、脚本のセンスに定評があります。
本作では、それぞれのキャラクターが1幕目、2幕目、3幕目で同じようなセリフを言っているようで、言っていない絶妙なセリフ回しがよかったです。
凛子
この作品で、第73回ゴールデングローブ賞の脚本賞を獲得したのも納得です!
まとめ
世界的に著名なスティーブ・ジョブズの意外な一面を見ることができた作品です。
2013年の「スティーブ・ジョブズ」と見比べてみるのも、面白いと思います!
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