凛子
ひっきー
度肝を抜くホラー映画が多いフランスですが、本作もまた凄いですよ。
では、早速ご紹介します!
作品情報
あらすじ
16歳のべジタリアン、ジュスティーヌは、両親と姉と同じ獣医科大学に入学する。
初めて親元を離れて、見知らぬ新しい環境である大学の寮で暮らし、生活する不安に駆られる彼女。
両親に車で寮まで送ってもらうが、寮にいるはずの姉アレックスに電話をかけるもつながらない。
途方に暮れつつも、仕方なく一人で寮に向かいルームメイトと対面するが、女性との相部屋を希望したはずなのに、そこにいたのはアドリアンという男性。
「俺はゲイだから」と言われてもなんの慰めにもならない。
さらに追い討ちをかけるように、『フルメタル・ジャケット』も真っ青の上級生による新入生歓迎のハードコアな儀式としごきが突然始まり、地獄の日々が幕開け。
ようやく姉と出会えて安堵するが、狂乱かつ過酷な日々が続く。
(出典:http://raw-movie.jp/)
キャスト・監督
ギャランス・マリリエ(ジュスティーヌ)
1998年2月11日、フランス・パリ生まれ。
子供の頃に舞台俳優として活動を始め、ジュリア・デュクルノー監督の短編『Junior』で女優デビュー。その後も何本かの短編をはさみ、デュクルノーが共同監督を務めたTV映画『Mange』に出演。
『RAW〜少女のめざめ〜』で長編映画初主演を飾り、その演技力の高さが国内外で大絶賛されブレイクした注目の若手女優。
エラ・ルンプフ(アレックス)
1995年パリ生まれのスイス人女優。
16歳のときに『Summer Outside』で女優デビュー。
『RAW〜少女のめざめ〜』ではギャランス・マリリエ演じる主人公の姉、アレックスを熱演。
ドイツのポップなアクション映画『Tiger Girl』で初主演を務め、同作は2017年のベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映された。
ジュリア・デュクルノー(監督)
1983年11月18日、フランス・パリ生まれ。
フランスの名門映画スクール「ラ・フェミス」で学ぶ。2011年に監督した短編『Junior』がカンヌ国際映画祭のペティットレイル・ドールを受賞。
12年にはTV映画として制作されたコメディドラマ『Mange』で共同監督と共同脚本を担当する。長編監督デビュー作『RAW〜少女のめざめ〜』では脚本も執筆。
同作は第69回カンヌ国際映画祭批評家週間でワールドプレミア上映され、国際批評家連盟賞を受賞した。
(出典:http://raw-movie.jp/)
ネタバレ感想
早く日本に来ないかと期待して待っていた一本です。
いつもはネットで予約するところ、今回はたまたま直接劇場でチケットを購入。
そこで、「かなりショッキングなシーンがある映画ですが、大丈夫ですか?」と聞かれました。
ええ?!そんな事わざわざ聞くの?!に驚きと、ホラー映画ファンとしてかなりのワクワクで入場。
血の味を知る女の子の話ですが、はじめは全く逆でベジタリアン。
肉が少しでも入っているだけで吐き気をもよおすほど。
これが変化していくのがたまらなく、姉と喧嘩をして指を切り落とし…。
映画序盤、これなんの話?わからない車のシーンが後から繋がるのが好きです。
大学の寮に入るために行き、そこには姉が在籍しています。
もうなんだか分からない、パーティーなのか酒池肉林の状態に放り込まれ、ジュスティーヌは戸惑います。
儀式なるもので、肉や血の洗礼を受け、もう無理矢理でここはまだ、公開前によく映像で上がって来ていた、あ!白衣が赤いのはそういうことだったのかと分かったぐらいの感じで。
この儀式では、獣医になるためにうさぎの腎臓を食べないといけないというもの。
姉に助けを求めても拒前れ、口にしてから変わります。
体中が痒くなり、目が冴えて眠れない。
異常な食欲で、肉が欲しくてたまらない。
どうしていいか分からず、姉の部屋へ訪れ、ふいの事故で姉の指がハサミで切り落とされてしまいます。
姉のアレックスは気絶、救急に連絡するも指を見つめる間にもう止められず「食べてしまいます」。
だいたい、血に目覚める、といったものはヴァンパイア映画が多いのですが、まさかのカニバリズムです。
ここで「覚醒」、このむさぼりつく様がとんでもなく凄い。
そのあと姉は妹の変化に気づき、ある日人通りの少ない通りへ連れて行き、たまたま走って来た車の前に飛び出し、事故を起こさせます。
これが、最初のシーン。
うわぁあ、これだったのかと、今から起こることがわかりより衝撃なのです。
瀕死状態のドライバーを食べる姉に絶望し、ジュスティーヌは歩いて帰る。
せっかく教えているのに!と怒る姉と、欲望を抑えようとする妹。
戦ってもどんどん出て来る欲望には勝てず、ルームメイトを食べます。
このルールメイトとは、姉と喧嘩をしたときに、自暴自棄になって一度関係を持っています。
そこで、噛みつきそうな自分を抑える為に自分の腕を血が出る程に噛んでいました。
これがあるから、より衝撃でした。
なんてことをしたんだ!と自分を責め…我にかえるとそこには姉アレックスが。
そうです、食べたのはアレックスだったのです。
ラストは父親がこのことを知り、ジュスティーヌに打ち明けます。
おもむろに服を脱ぎだし見せた身体には、無数の噛み後が。
そして「お前には解決法を見つけて欲しい」
父はジュスティーヌがどうなるか知っているから、徹底的なベジタリアンに育て上げていたのです。
寮へ送るときに、やたら静かでなにかおかしい感じはあったものの、これだったんだと思います。
これ、ただのホラー映画では全くありません。
少女の成長、性の目覚め、家族の絆。
変化するぞと分かるのは、体中が痒くなりもうどうにも出来ず白いシーツにくるまりもだえ苦しんでいる姿。
これは、お腹の中にいた事を表していているのかと、父の言葉で思います。
観終わったときには、衝撃と切なさとで、強烈な青春映画を観たと実感しました。
ココが見どころ!
徐々に覚醒していく様です。
はじめは真逆というところが面白く、拒絶しつつも自分の中から出て来るもの。
性とは生か死か、という究極のもののように思えます。
このテーマの映画は他にもあり、クローネンバーグ監督のクラッシュもそう。
ネクロフィリアとは少し違い、死に直面したときに性的興奮を覚えるのです。
本作では、食人が性的欲求でもある。
音楽もホラー映画ファンを刺激するものが多く使われています。
まとめ
カンヌ映画祭をはじめ、各国で衝撃と騒然。
ホラー映画ファンにも好評で、新しいホラーだと支持されています。
失神者続出!!と、言われていましたが、単純にグロいシーンでそうなるのではなく、全ての事が絡み合い精神的ショックで失神したり気分が悪くなるのだと思います。
実際、映画館で目に入る場所にいた女性は、終始ほぼ下を向き直視出来ないようでした。
耐久性のある方には、こんな映画観た事ない!とある意味感動すると思うので、オススメです。
コメントを残す