小説「ゴーン・ガール」の著者ギリアン・フリン自らが映画の脚本を手掛け、鬼才デヴィッド・フィンチャーが監督した2014年公開の映画「ゴーン・ガール」。
ひっきー
凛子
それでは、ゴーン・ガールについて詳しく紹介します。
作品情報
あらすじ
エイミーに何が起きたのかー。
結婚5週年の記念日。
誰もが羨むような幸せな結婚生活を送っていたニックとエイミーの夫婦の日常が破綻する。
エイミーが突然姿を消したのだ。
リビングには争った後があり、キッチンからは大量のエイミーの血痕が発見された。
警察は他殺と失踪の両方の可能性を探るが、次第にアリバイが不自然な夫ニックへ疑いの目を向けていく。
新妻失踪事件によってミズーリ州の田舎町に全米の注目が集まり、暴走するメディアによってカップルの隠された素性が暴かれ、やがて、事件は思いもよらない展開を見せていく。
完璧な妻エイミーにいったい何が起きたのか・・・。
(出典:http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/movie/story.html)
キャスト・監督
監督:デヴィッド・フィンチャー
ニック・ダン:ベン・アフレック
エイミー・ダン:ロザムンド・パイク
マーゴット・ダン:キャリー・クーン
デジー・コリンズ:ニール・パトリック・ハリス
ボニー刑事:キム・ディケンズ
ターナー・ボルト:タイラー・ペリー
(出典:http://www.foxmovies-jp.com/gone-girl/movie/character_cast.html)
ネタバレ感想
この映画を観終わった後は、結婚観や夫婦生活について誰かと意見を交わしたくなります。
そんな映画でした!
映画の上映期間は、2時間29分。
最初の1時間は、行方不明になった妻エイミーの殺害容疑をかけられる、夫ニックの視点。
ニックが殺したんじゃないかと思わせるようなグレーゾーンで物語が進行します。
失踪直後の記者会見で、不必要な笑顔を振りまく胡散臭さ。
エイミーの用意したプレゼント探しクイズにうんざり気味。
妻がいなくなって、少し安心しているかのような印象を与えます。
ひっきー
凛子
そして中盤の1時間は、失踪したエイミーの視点。
エイミー視点に切り替わった途端、面食らいます。
なんと、ニックが殺人容疑をかけられるように仕向けたのは、全てエイミーの計画だったことが発覚。
ひっきー
「アメージングエイミー」を書いた児童文学作家の両親に育てられたエイミー。
絵本の中の完璧な主人公と比較され、エイミーは両親の求める理想像を演じてきました。
才色兼備の完璧なエイミーに合わせて、ニック自身も理想の男を演じていました。
お互いが求める理想通りの自分たちを演じ合っていた、エイミーとニック。
しかし結婚生活が長くなるにつれ、ニックは段々と演じることを止め、家ではだらしなく、エイミーを蔑ろにする始末。
追い打ちをかけるようにニックは学生と浮気。
理想の夫を演じなくなったニックに絶望したエイミーは、復讐を実行。
しかし、単なる復讐劇に終着しないのがフィンチャー作品です。
映画は、残り29分あります。
なんと、エイミーはニックの元へ帰ります。
凛子
世間の同情を買おうと、“バカで情けない男”をTVで演じ切ったニック。
その姿を観たエイミーは、上手く演じられたこの男とならまだ結婚生活が続けられると思い、監禁していたデジーを殺害して、帰宅したのです。
ニックはエイミーの本性を知って怖がっていましたが、夫婦とはそういうものだというのが、この映画のテーマです。
つまり、結婚とは相手に合わせて、多少なりとも演じ合う必要があるということです。
最後にニックがTVインタビューの前で、「僕たちは共犯者」と言ったセリフが、重く心に刺さりました。
妻としての役割、夫としての役割を理解し、世間に対して演じ続けることで、夫婦として成り立つのです。
ひっきー
自分たち夫婦はどうなのか、パートナーと話し合いたくなる映画でした。
ココが見どころ
ロザムンド・パイクの怪演ぶり。
劇中で“アメージング・エイミー”と言われているように、エイミーの演技はアメージングでした。
何を考えているのか分からない不気味さがあり、そこが魅力でもあるエイミー。
両親や夫が求める理想通りの仮面を付けた彼女は、まるでマネキンのようでした。
エイミー役選びの際に、ロザムンド・パイクの出演作をいくつも観ていたフィンチャー監督。
しかし、どの作品を観ても、彼女の印象を捉えることができなかったそうです。
印象の残らない女優と聞くと、役者として致命的な印象を受けますが、そこがロザムンド・パイクの良さであり、エイミー役と射止めた決め手。
ロザムンド・パイクの捉えどころのなさが、エイミーの何を考えているか分からない多層的なキャラクターにピッタリでした。
凛子
ひっきー
まとめ
「ゴーン・ガール」に限らず、フィンチャー作品は噛めば噛むほど味が出るスルメのような映画。
鑑賞回数を増やせば増やすほど、新たな発見が見つかり、ネタバレを書いても書いても書き足りません。
小道具1つとっても、エイミーの使うボールペンの変化や、本棚に置いてある本、ゲームボードの意味など、細部にまでフィンチャー監督のこだわりが詰まっています。
映画にさり気なく散りばめられたメッセージを見つけに、また見返したくなる作品でした!
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