凛子
ひっきー
批評家たちからも絶賛高い評価を受け、アカデミー賞脚本賞を受賞した「ゲット・アウト」ご紹介します!
作品情報
あらすじ
ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリスは、週末に恋人の白人女性ローズの実家に招かれる。
歓待を受けるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚え、さらに庭を走り去る管理人や窓に映った自分を凝視する家政婦に驚かされる。
翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で一人の黒人を見つける。
古風な格好をした彼を撮影すると、相手は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り……。
(出典:https://www.cinematoday.jp/)
キャスト・監督
ダニエル・カルーヤ(クリス)
1989年2月24日イギリス ロンドン生まれ。
Chatroom/チャットルーム (2010)、キック・アス/ジャスティス・フォーエバー (2013)、ボーダーライン (2015)、ブラックパンサー (2018)のウカビ役で更に注目を集める。
アリソン・ウィリアムズ(ローズ)
1988年11月30日アメリカ合衆国コネチカット州生まれ。
GIRLS/ガールズ (2012)<TV>マーニー役でシリーズに出演。
映画は本作ゲットアウトが初。
ジョーダン・ピール(監督・脚本)
長らくコメディアンとして活躍してきたジョーダン・ピールにとって、本作は監督デビュー作であると共に初めて製作に携わったホラー作品であった。
長らく「ホラー映画に取り組んでみたい」と公言してきたピールではあったが、監督デビュー作がコメディ作品ではなかったことは少なからぬ驚きを与えた。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/)
ネタバレ感想
どんでん返し、と言うのは少し違いこれは完全に「騙された」というのが正しい。
予告を観た人は、全く違う方向で答えを考えていたはずです。
黒人差別について描かれたものであり、白人の家に黒人の使用人。
黒人の彼が出来、実家へ連れて行くが・・・。
これから想像すると、黒人相手に差別的発言や暴力があるのではないかと考えたり、まさに実際に起こった黒人差別問題を思い返します。
そう思って観ているからこそ、より驚愕の答えにちょっとついていけない程驚きます。
そういうことだっだのか!!の理由は・・・とちょこちょこと出てきています。
これからは黒の時代。
そう発言する白人男性、パーティーにいる人々はみんなキラキラした目でクリスを見つめる。
よく分かるのは、このパーティーに参加している人たちです。
ローズの家族は全員いつものことなので、なんの変りもない様子で会話をしており、分からないのが後々怖すぎるとじわじわ来ます。
驚愕の事実とは、この家族は脳移植をしていたのです。
白人に比べ、黒人は身体能力も高く優れているため、白人のまま機能だけ変えたいということ。
このパーティーに参加している人々はそれを望む「客」であり、どんな人物かを確認するための集まりだったのです。
そして開かれる「競り」。
ローズは云わば「いけにえ」を引っ掛け連れて来る役目、父親は医師、母親は催眠術師、弟は助手。
この弟、あからさまにおかしいし他に何かないのか?と。
実は、きっちり役目があるのがサラッと含まれています。
本編のはじまりで、黒人男性がさらわれるシーンがあります。
このシーンはただ、今から起こるよ~と言っているわけではなく、あれもこの家族がやったのだという証拠、弟が連れ去ったのだと分かる場面があります。
この辺りは2度目、3度目の鑑賞で分かるところだと思うので、何度も観返して新たな発見が出来る素晴らしい作品です。
ココが見どころ!
監督であるジョーダン・ピールはコメディアンとして成功を収め、俳優・声優などでもTV・映画で活躍していました。
彼にはいつか黒人を主役とした映画を監督・脚本担当し製作したいという思いが長年ありました。
彼自身も黒人であり、いまだ終わらない差別問題に対し「ブラック ライブ マター」という団体の活動が活発になった時期に製作するなら今だと取り掛かったそうです。
ブラック ライブ マターとは、黒人に対する暴力や人種差別の撤廃を訴える社会運動の一つ。
この作品の驚くべきところは、差別問題を題材にはしているものの、方向が違うというか「そっち?!」という感じ。
全く違った視点から上手く黒人差別問題を描き、様々なシーンで絶妙に取り入れられています。
まさかの憧れるがために脳移植してしまうという奇想天外の発想で、これを基に考えると色々また見かたが変わります。
やたらと禁煙を勧める理由も実はこれだったのだと思います。
タバコは悪影響を及ぼすため止めさせなければならない、そして商品としての価値が下がるからという考え方も出来ます。
観れば観る程、考えれば考える程に深い映画。
セルDVDには別エンディングが入っており、こちらはクリスがローズを殺しやって来た警官に逮捕されるというラスト。
半年後に親友ロッドと面会をするシーンで終わる、というものですがこれはあまりにも救いがなさすぎると判断され結果「ハッピーエンド」になりました。
監督としては、なんとか逃げ出したのに捕まり終わる、これは現代でも黒人差別は続いているということを伝えるためのものでした。
家族全滅でしてやったりと思ったので、こちらのエンディングは精神的にきつ過ぎる気が確かにします。
クリスと親友ロッドのキャラクターがかなり良いので、好感を持ちすぎてより辛くなったと思うので、さすがロッド!と思えるこの劇場公開されたエンディングが好きです。
まとめ
深い、深すぎるこの一本。
差別問題について詳しい方ならもっと発見出来る箇所が増えるはずです。
続編を撮影中との情報もあるようで、今度は一体どんな話で視点になるのか興味津々です。
それまでに、じっくり本作を何度も観てみてくださいね!
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