今回ご紹介する映画は、2018年に公開されたロシア映画「ラブレス」です。
ひっきー
凛子
それでは本作について詳しくご紹介します。
作品情報
あらすじ
一流企業で働くボリスと美容サロンを経営するジェーニャは離婚協議中の夫婦。
言い争いが絶えず、目下の問題はどちらが12歳の息子アレクセイを引き取るかということ。
2人ともすでに恋人がいて、新しい生活をスタートさせる上でアレクセイはお荷物でしかなかった。
そんな中、学校からの連絡でようやくアレクセイが行方不明になっていることに気がつくボリスとジェーニャだったが…。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=362653)
キャスト・監督
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
ジェーニャ:マリヤーナ・スピヴァク
ボリス:アレクセイ・ロズィン
アレクセイ:マトベイ・ノビコフ
マーシャ:マリーナ・バシリエバ
アントン:アンドリス・ケイシス
(出典:https://eiga.com/movie/88311/)
ネタバレ感想
恐るべきロシア映画でした。
温かみが欠如していて、鑑賞後は暗い気分になってしまう鬱映画です。
一流企業で働く夫のボリスと、エステサロンでマネジメントをしている妻のジェーニャには、12歳の一人息子アレクセイがいます。
しかし夫婦の仲は冷え込み、現在は離婚の協議中。
そして夫婦にはすでにお互いに恋人がいます。
ボリスにはマーシャという若い恋人がいて、お腹にはボリスとの子供を宿しています。
離婚のことを会社に伝えたくても、厳格なキリスト教を信奉している社長が離婚を許さないため、隠し通していました。
一方のジェーニャも、アントンという年上でお金持ちの恋人がいます。
夫婦は早く離婚を成立させて恋人との生活を始めたいと思っていますが、アレクセイの養育をお互いに擦り付け合う最低の親。
ジェーニャはアレクセイに対して無関心で、アレクセイのことを見向きもせずに常に携帯ばかりいじっています。
面倒なアレクセイの子育てを寄宿学校に入れることで解決しようとしますが、それは無責任だとボリスに非難されます。
しかしそんなボリスもアレクセイを引き取るつもりは更々ありません。
アレクセイが聞いていることにも気付かずに二人は口論を繰り返し、アレクセイは泣きながら2人の言い争いを聞いていました。
ある日アントンの家から帰ってきたジェーニャはアレクセイの学校から掛かってきた電話の内容に驚きます。
それはアレクセイが2日も登校していないということ。
ボリスに事情を話すと、すぐに戻ってくるだろうと相手にされず、逆にいつからいなくなったのか曖昧なジェーニャは非難されてしまいます。
ジェーニャは警察に通報しますが殺人や誘拐事件でもない限り取り合ってもらえず、市民ボランティアにアレクセイの捜索を依頼することにしました。
大勢のボランティアを集めて、アレクセイの行きそうな場所を手当たり次第捜索。
それでも中々見つからないため、ジェーニャの母親、アレクセイの祖母にあたる女性の自宅を訪れますが、アレクセイの姿はなく、訪れてきたジェーニャとボリスに対して暴言を吐きます。
ボリスと別れて中絶しろと忠告してやったのに!と酷い言葉をジェーニャに向けるのでした。
母親の家をそそくさと離れ帰りの車中で、ジェーニャはボリスに愛していたから結婚したのではなくて、愛情を注いでくれなかった母親から逃げたかったから結婚したと告げ、車から降ろされます。
アレクセイの捜索が難航する中、仲の良いクラスメイトと秘密基地を作っているという手がかりを手に入れた捜索隊と夫婦は、秘密基地のある森の中を捜索することにします。
そこにアレクセイの上着がありましたが、それ以上の手掛かりを見つけることができませんでした。
そんな中、警察から連絡が入り身元不明の少年の遺体が置いてある死体安置所に連れられます。
二人はそこで判明できないほど酷い姿になった遺体を見て、アレクセイは胸にホクロがあるから息子ではないと否定します。
アレクセイの失踪から時が経ち、未だアレクセイが見つからないままお互いに別々の生活を始めた二人。
ボリスはマーシャとの子供をぞんざいに扱い、ベッドに放り込みます。
ジェーニャはアントンと一緒にテレビを観ているようで、自分だけ携帯をいじっています。
アレクセイがいなくなる前と後でも、成長せずに自分にしか関心が持てない最低の二人でした。
ココが見どころ
ロシアの鬱々とした風景は本作にピッタリだと思います。
アレクセイを捜索している時に行く雪が深く積もった森や、冷たく空虚な廃墟など、暗さと冷たさが画面からも伝わってきます。
まとめ
こんな救いようのない世界は嫌です。
結局、アレクセイは見つからないままでした。
ロシアの寒々しい積雪風景も相まって、心も体も寒くなる映画でした。
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