ハリウッド映画の中でも、シャマラン監督作品でも、500万ドルという非常に低予算の映画「ヴィジット」。
ひっきー
凛子
作品情報
あらすじ
15歳のベッカと13歳のタイラーはシングルマザーに育てられている仲の良い姉弟。
母は若いときに実家を飛び出して以来、両親つまり姉弟の祖父母とは音信不通となっていた。
そんなある日、祖父母から姉弟に休暇を利用して遊びに来ないかとの誘いが。
ちょうどカメラに夢中のベッカは、この機会に母親と家族の物語をドキュメンタリーにしようと考える。
こうして姉弟だけでペンシルバニアの祖父母と1週間を過ごすことに。
初めて対面する祖父母に最初は緊張したものの、優しい祖父と、祖母の美味しい料理にすっかり大喜びの姉弟だったが…。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353463)
キャスト・監督
監督:M・ナイト・シャマラン
ベッカ:オリヴィア・デヨング
タイラー:エド・オクセンボールド
ママ:キャスリン・ハーン
祖母:ディアナ・ダナガン
祖父:ピーター・マクロビー
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353463)
ネタバレ感想
『恐怖と笑いは表裏一体』
まさにそう感じた作品でした。
シャマラン監督は、本作の製作中にコンセプトを3パターン用意していたそうです。
1つは、完全なホラー寄り。
1つは、完全なコメディー寄り。
1つは、2つの中間。
結果的に、2つの中間を取った映画になりました。1番良い選択だったと思います。
例えば、姉弟が床下でかくれんぼしている時に、祖母が四つん這いの状態で長髪を振り乱しながら迫ってくるシーン。
ゾッとしてしまい完全なホラー路線かと思えば、床下から出てきた祖母の姿は、ノーパンでお尻丸出し。
凛子
ひっきー
本作のネタバレとなる、訪問した祖父母は本当の祖父母じゃなく精神病患者だったというオチは、映画をよく観る人なら割と早い段階で気付きます。
ただこの映画はオチが早く分かったとしても、充分に楽しめます。
オチがゴールではありません。
スリラー要素を入れながら、姉弟の成長がちゃんと描かれていました。
姉のベッカと弟のタイラーには、父親に捨てられたことが原因で、それぞれ心の傷を負っています。
ベッカは、自分が無価値な人間だと思っているため、鏡で自分の顔を直視できなくなりました。
タイラーは、極度の潔癖症に悩まされていました。
そんな2人が(偽物の)祖父母と対峙することで、トラウマを克服し、成長します。
特に、タイラーvs祖父は衝撃!
祖父は、潔癖症のタイラーの顔面に自分の使用済みオムツを擦り付けるのです!
凛子
しかし、この最悪の経験をしたからこそ、過去の心の傷を埋めることができたんだと思います。
そして、個人的に1番好きなエンドロールのシーン。
タイラーのフリースタイルラップでエンドロールが流れ始めます。
ラップの内容は、紙オムツを顔に押し付けられたことや、その後石鹸を2個も使って顔を洗ったことなど、終始自虐的。
凛子
タイラーの横には、鏡を見て髪をとかしているベッカの姿が映ります。
ひっきー
怖くて、気持ち悪くて、笑って、感動して…と色んな感情が入り交じる、面白い作品でした!
ココが見どころ
無名の役者たちだけを起用したのに、それぞれの役者がそれぞれのキャラクターを見事に演じきっていた本作。
特に、お気に入りのキャラクターは13歳のタイラー。
彼の言動が、作品全体に漂う不気味で不穏な雰囲気を程よく中和して、笑いへ誘います。
フリースタイルラップが趣味のタイラーは、映画序盤でFワードやSワード(shit)といった汚いワードを使う代わりに、『シャキーラ!』のような女性シンガーの名前を使う方がカッコいい!という自分の持論を姉に語ります。
作品全体を通して女性シンガーの名前の使いどころが、抜群でした!
タイラーがどんどん追い込まれ極限の状態になった時、急に『ケイティ・ペリー!』や『サラ・マクラクラン!』と叫ぶところは、思わず笑ってしまいます!
ひっきー
凛子
まとめ
人によって好き嫌いが分かれることが多いのが、シャマラン監督作品。
シャマラン映画が苦手な人でも、本作は是非観てほしいと推薦するほど、面白い作品です!
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