日本で2017年に公開された、オリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」。
ひっきー
凛子
映画「スノーデン」についてご紹介します!
作品情報
あらすじ
2004年、9.11後の対テロ戦争を進める祖国アメリカに貢献したいと考えて軍に志願入隊したスノーデンは、足に大怪我を負って除隊を余儀なくされる。
失意のさなかCIAに採用された彼は、持ち前のずば抜けたコンピュータの知識を教官に認められ、2007年にスイス・ジュネーヴへ派遣された。
しかしそこで目の当たりにしたのは、アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもと、世界中のメール、チャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集している実態だった。
やがてNSAの契約スタッフとして東京の横田基地、ハワイのCIA工作センターへと赴任し、民主主義と個人の自由を揺るがす政府への不信をいっそう募らせたスノーデンは、恋人のリンゼイをハワイの自宅に残し、命がけの告発に踏みきるのだった……。
(出典:http://www.snowden-movie.jp/sp/about/)
キャスト・監督
監督:オリバー・ストーン
エドワード・スノーデン:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
リンゼイ・ミルズ:シャイリーン・ウッドリー
ローラ・ポイトラス:メリッサ・レオ
グレン・グリーンウォルド:ザカリー・クイント
イーウェン・マカスキル:トム・ウィルキンソン
トレバー・ジェイムズ:スコット・イーストウッド
コービン・オブライエン:リス・エヴァンス
ハンク・フォレスター:ニコラス・ケイジ
(出典:http://www.snowden-movie.jp/sp/about/cast.html)
ネタバレ感想
スノーデンは犯罪者か。それとも英雄か。
映画の予告で流れるこの問いにどう答えるかは、どの立場から語るかによって答えが分かれます。
アメリカ政府や有力政治家から見れば、米国最大の秘密を暴露したスノーデンは、犯罪者。
しかし一般市民から見れば、個人メール、通話内容、SNS、ネット検索履歴などの監視の実態を公表したスノーデンは、英雄です。
私もこの映画を観て、自分の人生を顧みずに暴露した彼の勇気と行動には、脱帽しました。
米国国家安全保障局(NSA)で働いていた時の、スノーデンの給与はなんと20万ドル以上(2400万円以上)。
もしそのまま定年までNSAで働いていたら、アメリカで一生お金に困らない悠々自適の生活が保証されていたはずです。
そんな安定した生活を送っていたのに、恋人と離れ離れになり母国アメリカに帰れなくなるほど危険を冒してまで、暴露したスノーデンは一般市民のヒーローです。
劇中で衝撃的だったシーンは、主に2つ。
1つは、パソコンの電源を切っている状態なのに、カメラをハッキングして部屋を覗けるというシーン。
凛子
アメリカのハッキング技術はそこまで達しているのかと驚愕しました。
このことを知ったスノーデンは、自分と恋人のパソコンのカメラにシールを貼り、恋人に『このシールを絶対に剥がさないでくれ』と頼む場面があります。
ひっきー
凛子
もう1つは、スノーデンが日本に駐在していた時に『もし日本が同盟国でなくなった日には、日本は終わりだ』と語っていたシーンです。
日本側から日本国民の監視を断られたのに、実際は『監視していた』とスノーデンは語ります。
同盟国でなくなれば、『日本の通信システムとインフラを乗っ取り、送電網やダム、病院、交通機関に仕掛けたマルウェアを作動させて、日本全体を完全に停止させる』と言うのです。
ひっきー
日本列島の街の灯りが次々に消えていき、真っ暗になる映像が映り、日本人として衝撃が走りました。
凛子
アメリカだけの問題だと思っていましたが、日本も他人事ではありません。
ココが見どころ
最後の数分間、ジョセフ・ゴードン=レヴィットと入れ替わって、スノーデン本人が登場します。
ひっきー
最後に本人の口から語られる心情は、何よりも説得力がありました。
そして、スノーデン本人のプライベート写真や映像、スノーデン事件が報道された2013年当時のニュース映像を織り交ぜたミュージックビデオのようなエンディング。
流れている曲は、世界的ロックバンド『ジェネシス』の初代ボーカリストピーター・ガブリエルの『The Veil』。
YouTubeにアップされているOfficial videoの映像は、映画バージョンの映像とは全く異なります。
凛子
この曲は、この映画のために書き下ろされているだけあって、歌詞もスノーデンのことを言及しています。
ひっきー
まとめ
いまだ亡命先のロシアで生活を余儀なくされているスノーデンですが、やはりいつかはアメリカに帰りたいみたいです。
そんな彼のアメリカを愛する気持ちが、ひしひしと伝わってくる映画でした!
本人が最後に登場したシーンは鳥肌モノでした!
映画内でも安全と自由はトレードオフの関係だと言うシーンがありますが、私自身その考えには同感です。監視社会は自由を奪われる代わりに安全を享受できるので、その加減が大事なのかなと思っています。