今回ご紹介する映画は、1994年に公開された「日の名残り」です。
凛子
ひっきー
それでは本作について詳しくご紹介します!
作品情報
あらすじ
1958年、イギリス・オックスフォード。ダーリントン卿が亡くなりアメリカ人富豪の手に渡った屋敷では、残された老執事のスティーブンが、膨大な量の仕事に手を焼いていた。
そんなある日、以前女中頭として屋敷で働いていたケントンから手紙が届く。
スティーブンは、有能な人材を迎え入れられるかもしれないという期待とある想いを胸に彼女を訪ねるのだった…。
(出典:https://www.star-ch.jp/channel/detail.php?movie_id=26432)
キャスト・監督
監督:ジェームズ・アイヴォリー
スティーブンス:アンソニー・ホプキンス
ケントン:エマ・トンプソン
ダーリントン卿:ジェームズ・フォックス
ルイス:クリストファー・リーヴ
カーディナル:ヒュー・グラント
(出典:https://www.star-ch.jp/channel/detail.php?movie_id=26432)
ネタバレ感想
あまりにも自分の感情を抑えて生きることに慣れてしまった主人公が、伝えられなかった恋心に思いを馳せる切ない映画でした!
イギリスの邸宅でアメリカ人政治家のルイスの下に仕えているのは、ベテランの老執事ジェームズ・スティーブンス。
以前はダーリントン卿に雇われていましたが、彼が死に屋敷が競売に出されたためルイスが買い取り、スティーブンスはそのままルイスに仕えることになります。
家族をこの邸宅に呼び寄せるつもりのルイスに対し、スティーブンスは人手不足に悩んでいました。
そんな折、ある女性から手紙が届きます。
それは、20年前に同じ雇い主であるダーリントン卿に雇われて女中頭として働いていたケントン。
当時優秀だった彼女にここで再び働いていもらおうと思ったスティーブンスは、休暇を使って彼女の住む町へ向かいます。
20年前、スティーブンスの父と同時に雇われたのがミス・ケントンでした。
スティーブンスは執事としてのプロ意識の高さから、事あるごとにケントンと衝突していました。
ある日、ダーリントンホールと呼ばれているこの邸宅で外交会議が開かれることになり、執事たちは準備に追われる中、事件が起きます。
それはスティーブンスの父が配膳中にコケてしまい、大きなミスを犯してしまいます。
プライドの高いスティーブンスの父でしたが、ダーリントン卿の命令で簡単な業務のみ行うよう制限されます。
会議には若き日のルイスも参加していました。
会議では今後のナチス・ドイツへの対応について話し合われており、ヨーロッパ諸国はドイツと友好関係を結ぶことを約束します。
しかし、ルイスはそんな出席者に対して「プロの政治家ではない」と失礼な発言をして会場はどよめきます。
会議が混乱している中、体調を崩していたスティーブンスの父が亡くなってしまいます。
父の死を知らされたスティーブンスでしたが、プロとして仕事を優先するため、ケントンに父のことを頼んで、粛々と仕事をこなします。
仕事後に父のもとへ駆けつけても取り乱したりはせず、冷静に気丈にふるまうスティーブンス。
空いた父の穴を埋めるために2人のドイツ人メイドを雇いますが、ユダヤ人だと分かるとダーリントン卿は2人を解雇してしまいます。
ダーリントン卿は次第にナチスの思想に影響を受けるようになっていました。
だんだんとお互いを尊敬するようになり惹かれ合っていくスティーブンスとケントンでしたが、スティーブンスは恋愛に関してかなりの奥手。
そんな時、ケントンは昔の職場で一緒だったベンから求婚されます。
邸宅に戻ったケントンはスティーブンスに相談されますが、引き止められることはなく、お祝いの言葉を述べられます。
スティーブンスの態度に腹が立ったケントンは、結婚して移住するので辞職すると勢いで言い放ちます。
この夜は邸宅で大事な秘密の会合が開かれていました。
やって来たのは、英国首相、外務大臣とドイツ大使。
ドイツ側はダーリントンの善意を利用しようとしており、過ちを犯そうとしている主人に気づきながらそれを止めることができないスティーブンスは、自分の仕事に集中していました。
そこにケントンが再び現れさっきの言動を詫ますが、それでもスティーブンスは自分の本音を伝えることなく仕事に戻り、ケントンは泣き崩れます。
そして20年前の出来事を思い返しながら、スティーブンスはケントンに再会。
スティーブンスは職場復帰をケントンに提案しますが、娘が妊娠しこの場から離れられないため断ります。
再び彼女と働けると思っていた淡い期待が消えてしまったスティーブンスは二度と戻らない時間を痛感します。
ケントンも人生の選択を後悔したことがあると口にしました。
しかし、いまさらお互いの当時の気持ちを話すわけにもいかないため、2人は固い握手をして別れるのでした。
バスの中には、泣きながらスティーブンスを見つめるケントンの姿がありました。
ココが見どころ
執事役として立ち居振る舞いが素晴らしかったアンソニー・ホプキンス。
特に、自分の私的な感情や本音を抑えて淡々と仕事をしていく姿が原作通りでした!
それでもケントンへの抑えきれない思いが垣間見える表情が、あまりに切なかったです。
まとめ
淡く切ない恋愛の裏で、ナチスドイツの影響など当時の時代背景がうかがえるいろんな見方ができる作品でした!
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